Noah SUZUKI
Bromoil Photography

Workshop of bromoil

去年、一昨年とワークショップを行いました。

行ったというよりかは、なんとか…やり遂げた…いや、やり遂げたのかどうか…という感じではありますが、2日間に渡る工程をなんとか終える事が出来ました。

このワークショップはアトリエ・シャテーニュさんにお声を掛けていただき、実現したものでした。何故…と思いつつも流れに身をまかせて新たな扉を開いてみることにしたのでした。

ネガ選びから始まり、プリント・ブリーチまでを1日目に行い、2日目にインキングをするというのが作業の流れでした。初めてのインキングはゴールが見えない道を突き進んでいくような作業ですが、みなさんとても上手くて。

2年連続でやってみて、私にはワークショップ講師などというものは全く向いてないということが、よく解りました。元々、解ってはいたんですが何事も経験なんて云われてしまったら、返答に困るので先に経験しておいた次第です。ははは。

というわけでワークショップは一先ず去年まで、おやすみなさい。

22 / 03 / 2019

Examine by comparing a number of papers

以前、印画紙による違いはどれくらいあるのだろうかと思い、同じコマを何種類かの印画紙でプリントしてブロムオイルを作った事があります。その時は、通常コントラストを低くしてプリントするのが常だけど、もう少しパキッとプリントしてからインキングしたらどうなるかなぁ、というのも試したような記憶が。

何故そんなことを始めたかと云うと、ブロムオイルは一度廃れてから再びやる人が現れるかなーどうかなーという頃には「現在はブロムオイルに使える印画紙は存在しない」という言葉が広まり、以来ずっとそれが目の前をウロチョロしていたからです。なんというか私としては「いやいや、意外と結構使えるし」という気持ちが有り、少しもやもやしていたのかな、と。

ブロムオイル?使える印画紙あるの?もう無いんでしょ?

という言葉をいきなり打つけられるというのは、中々複雑な気持ちになります。

この時試したのは、いつも使っているFOMAとILFORDを2種にARGENTONEの計4パターン。

どれかインクが全く乗らない、うんともすんとも云わない!というものが出てくるかなーと思っていたら全部綺麗に乗りました。もう、大体のものはインク乗るんじゃないかと思える程、なんの問題もなくスムーズに乗りました。

インク、乗ります。

21 / 03 / 2019

Treasured ink made in USA

幾つかのインクを試してみたけれど、やはり制作に一番向いているのはコレ。

Graphic Chemical&Inkのクレヨンブラック、No.1803。

海外の映像や投稿された写真を見れば他のインクを使っている人も当然見掛けるし、実際使えるんだろうなとは思うけれど、他のインクは私にはとても扱い辛いものでした。

なので、この子はとても重要で大切にすべきものとなります。

暗めで、ちょっとそれっぽく撮って誤魔化しているけれど、そこら中にインクをつけて真っ黒になってますが、大事にしています。

ブロムオイルではインクの固さが重要で、「リトグラフなんかで使うインクです」と聞かれたら説明していますが、恐らく実際リトグラフで使うインクの殆どは、これよりもかなり柔らかいように思うので、リトグラフ用のインクが全て使える訳ではないのではないかと思います。大抵のリトグラフ用インクは、しっかりと粘り気がありつつも柔らかめという印象なので。このNo.1803はリトグラフ用の中では最も固い部類に入るのではないでしょうか。

昔出版されたブロムオイルの教本にも書いていたと記憶していますが、コロタイプで使うインクでの代用も可能との事だったので、どちらがより手に入り易いかはさておき、固さではコロタイプ用インクの方が他のリトグラフ用のインクよりかは近いのかもしれません。コロタイプも固めのインクをしっかり練って使うようですし。

何度か「油絵の具を使う」というようなテキストを見掛けた事がありますが、試しに使ってみたけれど私にはとてもじゃないが扱えるようなものではなかったです。粘度が殆ど無くサラッとしていて、油分が豊富。これを印画紙の上で扱うのは至難の技ではないか…と使った時に唸ったほど。

驚くほど印画紙の上にただ乗っていく。ハイライトもシャドーも関係ない、そんな状態でした。あれを扱えるなら、きっとどんなインクも扱えて無敵でしょうね。

17 / 03 / 2019