Inking
14 / 03 / 2019
熊が冬眠をするように、冬は作業を基本的にしない。
プリントなんかはまだ少しはするけれど、ブリーチとインキングは本当に一切やらなくなり、冬眠状態に入る。大体1月から3月中旬くらいまでは、すっかり眠ってしまう。
なので当然、目覚めたばかりのインキングは酷い。毎度笑ってしまうくらいには酷い。単に技術だけの問題でもないけれど、それにしたって酷い。
そして、とても疲れる。冬眠中に恐らく消えてしまったであろう腕の筋肉。普段の生活で使うのとは少し違う、インキングの時に必要な筋肉。冬眠明けは自分に失望し、筋肉痛にうんざりする。とても愚かな話だけれど、これを7年は繰り返している。
冬眠が明けて、謂わば記念すべきその年最初のインキングは毎回失敗に終わるので、いつもどの絵を作るか迷ってしまう。まぁ十中八九失敗するからと失敗しても良さそうなものを使うと、なんだか守りに入っているようで案の定失敗する。
だからと言って、これは失敗出来ない、絶対に!というものを使っても、まぁ恐らく失敗する。
リハビリ用のものを用意するか否かという問題は、中々着地点が見出せない。
この画像は、失敗した後に作ったブロムオイルの一連の流れです。
こんな感じで、ゆっくりと着実にインクは印画紙に乗っていく。私は、「印画紙がインクを食べている」といつも思っている。
失敗ではないけれど、ちょっとやりすぎたなーと思う一枚。
今年はいつ、自分でもそれなりに良いと思うものが出来るのか、気になるところです。